USDC発行元であるCircleは、NYSEにおいてティッカー「CRCL」でのIPO申請を行いました。配布コストの上昇やマージン圧力にもかかわらず、2024年には16億8000万ドルの収益と1億5600万ドルの純利益を報告しています。この申請では最大50億ドルの評価額を目指しており、Circleは600億ドルのUSDC流通量を活用してTetherに対抗し、市場支配力を争う暗号通貨市場での重要な転機を迎えています。
ポイント概要
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CircleはNYSEにおいて「CRCL」での上場を申請しました。これは、以前の挫折を経ての2度目の試みです。
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同社は2024年に16億8000万ドルの収益を報告しており、前年同期比16%の増加で、その主な要因はステーブルコインの準備金です。
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収益の増加にもかかわらず、純利益は配布コストや運営費用の増加により42%減少し、1億5600万ドルとなりました。
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USDCの流通量が約600億ドルに達する中、CircleのIPOはTetherとの競争を激化させ、ステーブルコインに対する機関投資家の信頼を向上させる可能性があります。
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成功するIPOは、Circleが分散型金融と従来の金融サービスの両方で提供を拡大するための資金を提供する可能性があります。
Circleの大胆なIPOと16億8000万ドルの収益による市場での立ち位置
Circleの最近のSEC申請により、同社の公的デビューへの期待が高まっています。「CRCL」を使用してニューヨーク証券取引所に上場する計画は、新たな資金の確保だけでなく、透明性と規制遵守がますます重視される市場で競争力を強化することを目的としています。この申請は、マーケット条件の変化を受けながらもCircleが粘り強く取り組んできた過去の試み(2021年のSPAC合併を含む)を背景にしています。
Circleの財務情報 | 出典: SEC
申請書の中で、Circleは2024年に16億8000万ドルの収益を報告しており、前年同期比16%の増加を示しました。その主な要因はステーブルコイン準備金であり、同収益の99%以上を占めています。しかしながら、同社の純利益は42%減少し、1億5600万ドルとなりました。この背景には、パートナー(例: Coinbase)への支払いとして約9億800万ドルを要した高い配布コストや運営費用の増加が挙げられます。このような急成長する収益と縮小するマージンという二面性は、Circleのビジネスモデルに内在する可能性とリスクの両方を明らかにしています。
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CircleのIPOがステーブルコイン市場と暗号資産規制に与える影響
CircleのIPOは、ステーブルコインの風景に多大な影響を与えると予測されています。時価総額で第2位のステーブルコインであるUSDCは、約600億ドルの流通量を持ち、現在約70%の市場シェアを占めるテザーの支配に挑戦する準備が整っています。ステーブルコイン規制が強化され、従来の金融業界がデジタル資産に関心を深める中、Circleの動きは機関投資家の広範な採用を促進し、主要な暗号資産企業間で競争が激化する可能性があります。
Circleの上場は単なる財務的な節目ではなく、暗号資産市場を主流の金融システムと統合するための重要な一歩を示しています。同社がIPOを進め、競争の激しい急成長市場の固有の課題に取り組む中、業界の観察者たちは、ステーブルコイン市場と暗号資産規制の広範な風景を再構築する次の動きを注視することでしょう。
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