TRON(TRX)は2022年3月時点で時価総額上位30位の仮想通貨であり、TRX/USDTはKuCoinを含めた複数のプラットフォームで高い取引高と 流動性を誇ります。 ブロックチェーン上のオペレーティングシステムとして設計されたTRONは、ユーザーがコンテンツを共有し、エンゲージメントを行える分散型プラットフォームです。
TRONは、ピアツーピアのコンテンツ共有のためのシンプルなソリューションを提供すると共に、コンテンツクリエイターが視聴者と直接関わり、報酬を得られる分散型エコシステムを提供します。TRONブロックチェーンは高い処理能力を誇り、分散型アプリケーション(dApps)開発に最適なプラットフォームの1つとなっています。
Bitcoinは1秒間に最大6 トランザクション(transaction per second、TPS)、 Ethereumは25 トランザクションを同時処理できるのに対し、TRONは2,000 トランザクションを処理できます。TRONのブロックチェーン技術は、中央集権的なコンテンツ共有プラットフォームにブロックチェーン能力を応用した業界初の事例です。
エンターテインメント業界は世界で最も激しいデジタル変革が起きている業界の一つであり、TRONブロックチェーンはコンセプトの分散化を推進するパイオニアのような存在となっています。TRONネットワークでのコンテンツ共有は、中間業者を排除することでコンテンツ消費者にとってより効率的で費用対効果が高く、コンテンツクリエイターはより多くの報酬を得られる可能性があります。
TRONエコシステムはTRXに加えて、ユーザーがブロックチェーン内で独自のトークンを発行できるコントラクト規格であるTRC-20トークンをサポートしています。 時価総額世界一のステーブルコインであるUSDTは、TRC-20規格を採用している仮想通貨のなかで最も広く利用されています。
TRONは、Webのさらなる分散化やWeb 3.0革新に焦点を当てた、最初期かつ最先端のブロックチェーンネットワークの一つです。TRONブロックチェーンは高いトランザクション処理能力に加えて、スマートコントラクトを効率的に処理し、複数ユーザーを同時にサポートできる高い拡張性を備えています。
ブロックチェーンの分散型インフラと運用を備え、TRONの技術はNetflixやYouTubeといったコンテンツストリーミング分野のリーディングカンパニーに挑もうとしています。Ethereumネットワークと同様に、TRONは独自のTRON Virtual Machine(TVM)を利用し、スマートコントラクトをサポートしています。
TRONブロックチェーンはDPoS(Delegated Proof of Stake)コンセンサスメカニズムを採用しており、エコシステム内でのステーキングと取引実行にネイティブトークンのTRXを使用します。TRONは3つのレイヤー(層)で構成されています。
コア層は、スマートコントラクト、DPoSコンセンサスアルゴリズム、アカウント管理機能で構成されています。
TRONのストレージ層は、コンテンツやファイルを保存する場所です。動画や音楽など、様々なデータを持つファイルを含められます。
ブロックチェーンのこの層がdAppsの開発を支えています。
TRONの最初の開発フェーズは、分散型コンテンツ共有およびファイル保存のための無料プラットフォームの構築に重点を置いていました。その次のフェーズ「Odyssey」にて、コンテンツクリエイターと消費者へのインセンティブ付与というコンセプトを導入しました。
Great Voyageと呼ばれる第3フェーズは、TRONネットワーク内でICO機能を立ち上げることに重点を置きました。コンテンツクリエイターはこの機能を利用して、エンゲージメントを獲得するための自分用のICOやブランドトークンを用意できるようになりました。
その後のApollo、Star Trek、Eternityの3フェーズでは、それぞれコンテンツクリエイターによるネットワーク上でのトークン発行、エコシステム内での分散型ゲームと予測の実装、ゲーム産業における分散化と収益化の機会の拡大に焦点を置いています。
TRONプロトコルの創設者Justin Sunは、2017年7月に設立されたシンガポールの非営利団体TRON財団の現CEOを務めています。TRON財団は設立直後にICOで7,000万ドルを調達し、TRONブロックチェーンを開発しました。
2018年3月、TRONのテストネットと共にブロックチェーンエクスプローラーとWebウォレットが公開されました。直後の2018年5月、TRONメインネットが公開され、Odyssey 2.0リリースとも呼ばれています。
当初TRXトークンはEthereumベースのERC-20トークンでしたが、2018年7月にTRONの開発者は独立したピアツーピアのネットワークに切り替えました。また、2018年にTRON財団は世界最大規模のP2Pファイル共有サービスであるBitTorrentを買収しました。
TRONは公開当初、アジア市場を中心にサービスを展開していました。その後、シンガポール国外とサンフランシスコに事業所を設立し、グローバル展開しています。
2022年4月、TRONは米ドルペッグで世界初となる仮想通貨を担保にした分散型アルゴリズムステーブルコイン、 Decentralized USD (USDD)を公開しました。Justin Sun氏は、USDDステーブルコインはTRON DAOによって管理され、TRON DAO準備金を通じて、公開時に100億ドル以上の資産でステーブルコインを担保すると発表しました。
期間 | 変動 | 変動率 (%) |
---|---|---|
今日 | $0.0068 | 3.44% |
7日 | $0.039 | 23.52% |
30日 | $0.0474 | 30.11% |
3か月 | $0.0551 | 36.81% |
TRONは、コンテンツ共有とWeb全体の分散化という、価値ある目標を掲げる大規模ブロックチェーンプラットフォームです。Web3.0が普及するにつれて、TRONのようなエコシステムは開発者コミュニティやユーザーからの注目を集めるでしょう。認知度の向上は、TRON価格のパフォーマンスに良い影響を与える可能性があります。
認知度が向上することで、ネットワーク上のオンチェーン活動が活発化し、将来的なTRON価格、TRX時価総額、出来高の上昇に寄与します。分散技術で巨大なストリーミングプラットフォームに挑戦するという目標を持つTRONは、市場での価値訴求が明確なため、投資の観点からも有利に働きます。
また、TRONブロックチェーンの高いスループット、スケーラビリティ、エネルギー効率の高い委任型PoSコンセンサスメカニズムが、dAppsの開発プラットフォームとして魅力を高めています。Ethereumに次ぐ分散型アプリを探す開発者が増えれば、TRX価格と時価総額が上昇してTRONの仮想通貨としての価値がさらに高まる可能性があります。
TRONブロックチェーンは、公開時に作成された1,010億を超えるTRXトークン流通数量上限があります。このうち、プライベートセールで157億5,000万TRXが用意され、ICOでは400億TRXが販売されました。
TRON財団に340億TRX以上が割り当てられ、2018年6月のTRONのメインネット公開から2020年1月1日までロックしていました。また、TRONのCEOであるJustin Sun氏が保有するPeiwo Huanle (Beijing) Technology Co.に100億TRXを割り当てています。
つまり、内訳を見るとTRXの総供給数量の約45%がプロジェクトと創設者に、約55%が投資家に割り当てられています。2022年7月現在、TRXの流通数量は920億を超えていますが、最大供給数量に関するデータはありません。
元々、TRONはデジタル・エンターテイメント業界に分散化をもたらすことを目指して設計されました。ゲームからソーシャルメディアに至るまで、TRONはインターネット上でコンテンツを作成・共有し、それらの機会から収益を得て、様々なデジタルエンターテインメントを効率化するための魅力的なエコシステムを提供します。
TRONは、コンテンツを分散環境でオンライン共有・保存できるという利便性に加え、スマートコントラクトの機能を備えているという特徴があります。スマートコントラクトを利用することで、開発者はプラットフォーム上で様々な分散型アプリケーションを構築できます。
TRONは、DeFi、ゲーム、ソーシャルメディアなど、様々な分野のdAppsに対応しています。高いTPSを誇り、分散型アプリを開発するための堅牢なプラットフォームとなっています。
TRXはTRONブロックチェーンエコシステムのネイティブトークンであり、主にステーキングやネットワーク上のdAppsとやり取りに使用されます。TRXは、投資や取引に適した魅力的な仮想通貨でもあります。
TRXは、TRONプラットフォーム上に構築されたdApps内通貨としての役割も担っています。また、TRXをステークすると、TRONブロックチェーンのガバナンスに参加することができます。エコシステムの更改提案の投票に参加する権利と共に、「TRON Power」と呼ばれる特典を得られます。
TRONの価格と時価総額が上昇することで、投資家にとって魅力的な価値の保存手段となります。一方、TRXを売却して他の仮想通貨に交換することで、資産形成に役立てるという選択肢もあります。TRXを取引する前にはTRONの値動きと最新ニュースを確認し、ファンダメンタル分析とテクニカル分析を行うことをお勧めします。
また、TRXはデジタル決済送金に便利です。これはTRONブロックチェーンの大きな強みであり、ネットワーク内でTRXの支払いを行う際の取引手数料は無料で、さらに主要なブロックチェーンネットワークよりもはるかに速いスピードで処理されます。